微生物の大きさの範囲は、はっきりと決まったものではない。たとえばゾウリムシは体長が0.1mmばかり、これは目をこらせば見える大きさである。同様の仲間には、1mmを越えるものも存在し、完全に肉眼で確認が可能である。しかし、その姿を知らないものが、それを動物的生物だと認識することはまず不可能だろう。事実、顕微鏡の発明までは、微生物が発見されることはなかった。 ロバート・フックは、自作の顕微鏡で細胞を観察しているが、微生物を観察することはできなかったようである。アントニ・ファン・レーウェンフックの手製、単レンズの顕微鏡観察によって最初に指摘された。彼は様々な微生物を観察し、その姿や大きさについてかなり正確に報告しているが、その報告を元に、微生物を観察できたものも少なかったようである。 カビの場合、大きいものは背丈が10cm、コロニーの直径はさらに大きなものがあるが、多くのものでは、その基本構造である菌糸や胞子形成部は1mm以下であり、やはりその構造を知るには顕微鏡が必要になる。 小さい方では、細菌の細胞は1-数?m、リケッチアなどにはさらにその数分の1のものがある。古細菌の中にも最大直径0.2μmほどのものがあり、細胞構造を保つ生物としてはこのあたりが最小であろう。この大きさはもはや電子顕微鏡の領域である。
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